ホテルエミシア東京立川様

ホテルエミシア東京立川様

的確なアドバイスと迅速なレスポンス。
心強い味方を得たような気持ちになりました。

ホテルエミシア東京立川
総支配人 金田勲様、業務部 業務部長 藤倉雄次様、業務部 松浦生男様


今回ご紹介するのは、立川駅近くにある宴会場やレストランを備えた宿泊施設、ホテルエミシア東京立川様。省エネやSDGsに関して以前から取り組んでいたことや、HTT実践推進ナビゲーターとの出会いから始まった支援策活用に至るまでのストーリーを伺いました。

コロナ禍の逆風を経て、
次なる課題はエネルギーコストの削減に

JR立川駅近くにあるホテルエミシア東京立川は、全国に展開するスマイルホテルをはじめ、シティホテルやリゾートホテル、各種レジャー施設を運営するホスピタリティパートナーズグループの一員。以前は「立川グランドホテル」として地域の人々に愛されてきましたが、2020年に改称し、大規模なリブランディングを実施。従来からある本館に加え、地上17階建てのタワー館を増築したことで総客室数は251室となり、多摩地区最大級のシティホテルへと生まれ変わりました。


しかし、2020年。東京オリンピックも控えた中で華々しいリブランドオープンを果たすと同時に、誰もが経験したことのないコロナ禍との戦いが始まりました。総支配人の金田さんは振り返ります。


金田総支配人「ほぼ、休業に等しい状態でした。宿泊や飲食のお客様は激減、収益の要であるご宴会、会議、結婚式が全く無い状態が続き、さらには館内のテナント様も撤退。ほとんどのスタッフが休業となる中、先の見えない不安から一人またひとりと自らホテルを去っていくスタッフとの別れは、非常に辛いものがありました。そんな静まり返る暗い館内の一角で、各部門責任者は何度となく集まり、協議を行いました。皆、大切なスタッフ、ホテルを守るために何でもやっていくと必死でしたね。そうやって考えに考えて作り出した経費節減案や業務改善策の実施に加え、他業種企業への出向やグループ会社への派遣を実施することも決め、さまざまな企業とのマッチングにも奔走しました。一定期間とはいえ、未経験の異業種の仕事に挑戦したスタッフたちの戸惑いや努力は本当に大きなものであったと思いますし、耐え抜いてくれたことに感謝しています」

その後は、医療従事者の隔離を目的とした受け入れや、ワクチン接種会場としてレストランを開放するなど、さまざまな工夫を凝らしながら営業を続けてこられたのだとか。徐々に状況が好転していく中で、環境や空間づくりに携わる業務部部長の藤倉さんは、さらなる経営改善に思考を巡らせたそうです。

藤倉部長「東京都のHTTの取組を知る以前から、環境保全や省エネ対策には着実に取り組んできました。客室のシャワーヘッドや、厨房の食洗機を節水タイプに入れ替えるのもその一つ。節電への取組としては、照明をLED電球に交換しています」

しかし、公共スペースや宴会場の照明機器については、課題が大きかったようです。本館が建てられたのは30年以上も前。宴会場の大型のシャンデリアなど、調光機能を持つ照明機器はLED化に対応しておらず、システムそのものを最新設備に更新する必要がありました。さらに、電気設備も細やかな分電制御が難しい仕様で、新築のタワー館とは異なり省エネ化に相応なコストがかかるため、簡単には手を付けることができない状況であったようです。

藤倉部長「そんな時、お電話をくださったのが東京都HTT実践推進ナビゲーター事業の山内さんでした。日々さまざまな事業者様から営業の電話がありますので、山内さんからのアプローチも、当初は営業活動の一つかなと考えていました。しかし、お話を伺ううちに、ちょうど私たちが直面している課題に合致するお話しばかりであったため、さっそくご訪問をお願いし、省エネ対策につながる助成金や補助金制度について、詳しく教えていただくことにしました」

ナビゲーターの提案で無料の省エネ診断を実施
専門家の助言がさらなる呼び水に

コロナ禍が収束し、ようやく人の往来が元に戻りつつある今、複合的な要因からエネルギー価格が高騰を続けているのは周知の通り。消費者はもちろん、企業にも大きな打撃を与えています。

金田総支配人「省電力機器への換装、スタッフの啓蒙活動などあらゆる施策を経てやり尽くした感があり、頭を悩ませていたところで出会えたのが、ナビゲーターの山内さんでした。山内さんは当ホテルが置かれている状況に耳を傾け的確なアドバイスをくださいました。後の相談時もレスポンスは迅速で、心強い味方を得たような気持ちになりました」

その後、ビル管理システムの経験がある業務部の松浦さんを中心に、無料の省エネルギー診断(東京都環境公社)を実施。東京都から派遣されたプロの診断士とともに、まずは照明のLED化による削減効果の算出に取りかかられたそうです。

松浦様「ご協力くださった診断士さんはその道のプロでした。電力使用量を減らす具体的手段についてや、現状を見える化する手段を伺い、事前にイメージしていたこと以上のアドバイスをいただけました」


ナビゲーターの山内氏や省エネ診断士の助言をもとに、同ホテルでは東京都の「ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業」の助成金を活用する方針に決めました。ただし、申請時に必要な書類を揃えるためにかなりのご苦労があったといいます。

松浦様「例えば、既設の照明設備の仕様(型番・消費電力等)の入力が必須条件のなかで、古い照明器具は型番などの詳細が不明なものも多く、仕様書に記載されている機種が廃番になっていることもありました。それについては、東京都の指示で該当設備を個別に撮影して、写真付きの申請用報告書を作成しなければならなかったのです。時間のかかる作業でしたが、先日なんとか申請用報告書は完遂しました」

結果、ゼロエミッション化に向けた主な取組としては、従前から想定していた宴会場およびパブリックスペースの照明のLED化をはじめ、運用面では空調機のデマンド制御や冷温水発生機の設定温度管理の検討、毎月の電力使用量や料金推移をグラフ化して館内のバックヤードに掲出し、従業員への意識啓蒙を実施。現在はひと通りのチェックと書類作成を終え、申請結果を待っている状況だといいます。

SDGsへの取組で培ったモチベーションを
ゼロエミッション化にも活かしたい

もともと、ホテルエミシア東京立川ではSDGsの取組を積極的に行っており、若手スタッフを中心とした専門チームによる勉強会や定期的なミーティングが実施されていました。その後、コロナ禍という厳しい状況に直面したのを契機に、業務改善が急務となり、一人ひとりがより深く考える機会を得たことで、日々の業務に対する意識を向上させることへも繋がったといいます。

藤倉部長「普段は積極的な発言がほとんどなかった若手スタッフたちが、一生懸命考えたアイデアを持ち寄り、自信を持って発表してくれるようになったのです。これまで私たちは、持続可能な社会の実現を目指して、歯ブラシやヘアーブラシといった客室のアメニティをバイオマス製品に変更するなど多様な取組を行ってまいりましたが、これらも彼ら彼女らの意見がボトムアップで挙がってきた例ですし、お客様が不要になって当館に寄付してくださった傘を「リユース傘」として別のお客様に自由にお持ち帰りいただくという新しいサービスも、実は若手スタッフたちのアイデアによるものでした」


忘れ物や不要物として放置されることの多いビニール傘は、1ヶ月で30本以上にのぼることもあるのだとか。金属やプラスチックなどの異素材で組み立てられている傘は、分解が困難なため、リサイクル処分を行うにもかなりの費用がかかってしまいます。これをスタッフたちが選別し、綺麗な状態で再利用できるようになれば、不意の雨に降られて困っている方々へのベネフィットにも繋がります。ほかにも、こまめな消灯による節電や清掃時の節水、会議資料やPRツールのペーパーレス化、ペットボトルの完全リサイクル、食品ロスの軽減など、環境に配慮した取組の数々が浸透しています。

金田総支配人「設備や環境面の整備を多角的に実施してきましたが、HTTとの出会いから取組を通じ、課題の大きかったゼロエミッション化へ更なる大きな一歩を踏み出せたと実感しています。コロナ禍の厳しい時期を経て、ONEチームとなったスタッフ一人ひとりが、今後も継続的に高い目的意識を持って取り組めば、更なるエネルギーコストの大幅削減、経営改善も不可能ではないと信じています。今後も引き続き、皆の気づきとアイデアを集め、脱炭素社会の実現に繋げていきたいと思います」


コロナ禍でも、スタッフ、お客様、そして持続可能な社会のために前進し続け、今や人手が足りないほどまでに回復したホテルエミシア東京立川。金田総支配人は、脱炭素化への取組について各企業個々に工夫を重ねている中、時に行政の支援に頼ることで課題解決の糸口に繋がる可能性があると語ってくださいました。今回、それらを考えるきっかけを与えてくれたのが、ナビゲーターの山内氏と省エネ診断士の存在だったといいます。

まだ、脱炭素化への具体的な取組や方針を決めかねている中小企業の皆様。まずはHTT実践推進ナビゲーターに相談をしてみませんか?

企業プロフィール

  • ホテルエミシア東京立川
  • 東京都立川市曙町2-14-16
  • 宿泊、婚礼、宴会、会議、レストランを営むフルサービス型ホテル
  • 168名
  • https://www.hotel-emisia.com/tokyotachikawa/
  • 2023年10月

株式会社エイチ・エー・ティー様

働く社員のためにはじめた老朽設備の更新が、
さらなる省エネと経営改善にも繋がりそうです。

株式会社エイチ・エー・ティー 代表取締役 吉田隆史様

株式会社エイチ・エー・ティー様

今回ご紹介するのは、航空宇宙産業の部品加工に携わる株式会社エイチ・エー・ティー様。代表取締役社長の吉田さんに、HTTナビゲーターの提案で東京都の支援事業を活用するまでの経緯とともに、脱炭素の取組に対する想いについても伺いました。

製造設備の新規導入と併せて
空調管理の見直しへ

1998年に東京都国立市で創業、今年で25年目を迎える株式会社エイチ・エー・ティーは、放電加工、ウォータージェット、機械加工などの技術を主軸として、航空宇宙関連部品の加工や製造に携わるモノ作りの企業です。本社である国立事業所では航空宇宙、各種産業界の試作品の加工を行い、福島事務所では航空機エンジン部品の量産部品を、そして東京都昭島市の事務所では非破壊検査器機の設計・施工、販売、検査機器の校正を手掛けています。


吉田社長が、東京都の取組であるHTT(電力をへらす・つくる・ためる)について知ったのは初夏のころ。本格的な夏の猛暑に備えて空調設備の更新を検討しているさなか、HTT実践推進ナビゲーター事業のスタッフから電話案内がありました。

吉田社長「国立事業所の工場は、2019年、2023年と、連続して製造に関わる最新設備を導入してきました。その流れの中で、設備の動作保全や職場環境を快適に整えるため『空調を新しくしよう!』と考えました。工場には新たに導入された放電加工やウォーター切断加工、マシニングなどの工作機械がずらりと並んでおり、現状では機械が発する熱と古くて効きの悪い空調により、夏場には温度管理が厳しくなっておりましたので、社員からも喜びの声が上がりました。さっそくメーカーに見積を取り、いざ発注しようというタイミングでHTTの案内電話があったんです。ここ数年はコロナ禍で飛行機も飛ばず、エネルギー高騰のあおりも受けているところでしたので、少しでも費用の助けになるならと考えて、ナビゲーターの山内さんに来ていただくことになりました」

パンデミックを機に、むしろ守りから攻めの経営へ。従来からのものづくり産業に加え、非破壊検査部門を充実させようと考えていた吉田社長にとっては、ナノサイズX線CT撮影装置や、高精度3Dスキャナーなどの最新機器を導入したばかりの出来事でした。空調設備の見直しにあたって多少なりとも役立つ情報が得られるならと、HTT実践推進ナビゲーターからのアプローチを受け入れることになったといいます。

ヒアリング内容をもとに、
ナビゲーターが事業内容や経営状況に応じた支援事業を提案

コロナウイルスのパンデミック下にあった2020年、2021年には、世界的な渡航制限の影響により民間機の生産が大きく落ち込み、航空機産業が大きな打撃を受けたことは多くの人の知るところです。航空機生産におけるサプライチェーンの一員であるエイチ・エー・ティーもまた然り。パンデミックが収束しつつある現在は航空機産業も回復基調にありますが、ロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー価格の高騰にも見舞われ、今なお厳しい状況が続いています。吉田社長から会社が置かれた状況を伺ったナビゲーターの山内氏は、このたびの空調設備更新にあたり「原油価格高騰等緊急対策事業」という支援事業の活用を提案しました。

吉田社長「山内さんに教えていただくまでは、そうした支援事業があることも知りませんでした。うちは福島県に工場があり、東日本大震災以来、補助金制度はたびたび活用させてもらっているので機械設備の補助金についてはよく知っていたのですが、空調などのインフラ設備補助金は知りませんでした。アドバイスがなかったら自費で設置する予定でしたので、とても助かりました」

山内氏が提案した「原油価格高騰等緊急対策事業」とは、世界情勢による原油や原材料価格の高騰により、経済的打撃を受けている中小企業に対して、専門家のアドバイスをもとに固定費削減の取組を支援しようというもの。対象は東京都内で製造業を営む中小企業で、直近の売上高が前期、あるいは前々期より減少していることが条件でした。エイチ・エー・ティーは燃料費高騰のあおりを受ける航空機産業で条件に見合っており、一般的な省エネ対策の助成金に比べると助成率が80%と高いことや、緊急対策であるため比較的早い対応が期待できるというメリットも考えられました。

助成支援までの具体的な流れは、最初に所定の申込みフォームにより専門家の派遣を依頼。事務局の内容確認が済むと、派遣された専門家が現地調査を行って支援レポートを作成、レポートの内容にもとづいて助成金の申請を行うという手順です。取材を行った8月末の時点では、助成金申請を済ませて審査待ちという段階。吉田社長の「この夏こそ空調を新しくする!」宣言の実現には間に合わない様子でしたが、「社員にはこの夏も暑さに耐えてもらうことになって申し訳なかったのですが、浮いた経費をボーナスに上乗せできたので、みんな喜んでくれました」と、吉田社長も嬉しそうに語ります。


専門家のアドバイスで見えてきた、
脱炭素の取組と経営改善に繋がる道筋

これまでも幾度か補助金を活用してきた吉田社長ですが、申請手続きはすべて自分一人で行ってきたそう。HTT実践推進ナビゲーター事業からの案内をきっかけに行った今回の場合は、ナビゲーターの山内氏や東京都から派遣された専門家の意見を訊けたことが、思わぬ収穫だったようです。

吉田社長「ご紹介いただいた助成金活用では、ナビゲーターの山内さんや、東京都から派遣されたコンサルタントの方など、無償で専門家のアドバイスが訊けたことがありがたかったですね。派遣されたコンサルタントは大手自動車メーカーの生産部にいた方だったので、製造業の実情に精通されていて、経営面でも役立つアドバイスをいただくことができました。今回の助成金活用では、こうした専門家の方とのご縁ができたことも大きな収穫でした。これまで自己流でやってきましたが、これを機に専門家の助言をもとに会社経営についても見直したいと思っています」

今回の助成金活用では、高効率空調設備へ更新することで従業員の方々が快適に働ける環境が整うのと同時に、省エネについても大きな効果が期待されます。HTTのH(へらす)の取組に繋がり、カーボンニュートラルにおける貢献度も高いといえるでしょう。HTTについてはナビゲーターをきっかけに知った吉田社長ですが、最後に、脱炭素の取組についてどのように考えているのか伺ってみました。

吉田社長「これまでHTTについては何も知りませんでしたが、今回活用させていただいて、とても良い取組だと思いました。ナビゲーターもコンサルタントも東京都から派遣される方なので安心で、無償で役立つアドバイスをいただけるので助かりますね。脱炭素の取組については、照明のLED化などは数年前に済ませていますし現時点ではやれることが限られると思っていましたが、今回お話を伺うなかでエネルギーコストを効率よく下げることで、結果として利益を上げられることもわかりましたし、脱炭素の取組は、有効な経営改善に繋がることも実感できました。行政の支援というと補助金や助成金ばかりに目が行きがちですが、専門家の意見を訊けるよいチャンスでもあるので、中小企業の方は活用してみるとよいと思いました」

パンデミックやロシアのウクライナ侵攻など厳しい世界情勢の荒波を乗り越え、創業から四半世紀という節目を迎えたこの夏。来期の売上はコロナ前を上回るとの予測もあり、脱炭素の取組で結ばれた縁をもとに、エイチ・エー・ティーのさらなる飛躍の年となることを願います。

企業プロフィール

  • 株式会社エイチ・エー・ティー
  • 東京都国立市泉1-6-10

  • 【ものづくり事業】航空宇宙関連、各種試作開発品加工(MC、旋盤、各種放電、ウォータージェットなど)
    【非破壊事業】非破壊検査機器の取り扱い、検査機器校正サービス(光学機器、圧力計)
    【評価計測事業】3D計測リバース計測、X線CT撮影受託サービスなど
  • 32名
  • https://www.h-a-t.co.jp/
  • 2023年8月

コーデンシTK株式会社様

手掛かりを指し示し、解決への道を明るく照らす。
ナビゲーターの存在が私たちを導いてくれました。

コーデンシTK株式会社 業務部 ご担当者様

コーデンシTK株式会社様

今回ご紹介するのは、光技術を応用した光学機器やセンサー製品を販売するコーデンシTK株式会社様。HTTを知ったきっかけや、その後の課題解決までの道のりを伺いました。

スタート地点は「何から始めていいのかわからない」
対策を加速させたHTTナビゲーターとの出会い

渋谷区南平台に本社を構えるコーデンシTK株式会社は、光センサーや光半導体、デジタルサイネージなど、光の先進技術を駆使した各種製品群を扱う企業です。主な業務はグループ本社が開発・製造する電子機器や光学機器をPRし、東日本エリアの販売戦略を担うこと。社員の大部分がセールスを担当されているため、製造業に比べれば電力消費量の影響は穏やかですが、昨今の原油価格高騰や世界情勢の不安定化によるコスト増の風雨に例外なく晒され、省エネ化推進の必要性が高まっていたようです。


業務部ご担当者様(以下略)「もともと私どもは電子部品を商う会社です。ISO14000シリーズの国際規格認証を取得したほか、SDGsを積極的に推し進めるなど、環境マネジメントに対する意識はそれなりに高かったと考えています。その下地もあって、早い段階から社屋の照明器具をLED電灯に換装するなど、省エネに資する工夫や取組を続けてきました。そんな折、HTT実践推進ナビゲーター事業のスタッフさんから一本の電話がありました。HTTについてのご案内だったんです」

組織全体を縁の下で支え、外部からの窓口役をも担う業務部には、日々さまざまな電話がかかってきます。「最初は怪しい営業の電話かと思っていました」と恐縮した表情で仰るように、省エネや環境対策の話題については関心があったものの、少なからず警戒心の方が先立ってしまったといいます。

「でも、会社にとって有益なことには常にアンテナを張っておくのが私たち業務部の仕事です。また、電気料金を抑えるためには、例えば社員の残業をできるだけ減らすなど、企業内活動を抑制するのが近道ではありますが、それはあくまでも働き方改革の一環として考えるべきものですよね。社員に何事かを強いることもなく、オフィスの快適性を損なうことなく、できるだけみんなが働きやすい環境を維持しながら、人知れず省エネにつながる施策を行っていくことが好ましいと考えていました。抜本的に解決できる手段を探していたので、まずはお電話でご説明を伺ったのち、HTT実践推進ナビゲーター事業のホームページを拝見し、問い合わせフォームからいくつかの質問を投げかけてみました。さっそくHTTナビゲーターの齊藤さんからご連絡があり、弊社を訪問したいとの申し出が。実際に対面で具体的な情報提供やご提案をいただき、そこからは一気にお話が進んでいきました」

診断士のレポートとアドバイスで
迷いが払拭された省エネ対策

当初からコーデンシTK社が注目していたのが、太陽光発電でした。自社ビルの屋上に太陽光発電モジュールを設置すれば、それまで取り組んできた「へらす」に加え、電力を「つくる」ことも可能です。そこでナビゲーターの齊藤氏は、太陽光発電に関連する東京都の助成金制度をご案内。併せて蓄電池設置による「ためる」プランについてもご提案を行い、まずは現在の電力使用状況の見える化を進言したのだとか。省エネ対策立案のベースとなりうる「省エネルギー診断(東京都環境公社)」を通じて、モヤモヤとしていたものが少しずつ形を成していく感覚を得られたのだそうです。


「プロの診断士の目に私たちの会社がどのように映るのか。果たしてどのようなアドバイスがいただけるのか。何よりも今、私たちの現在地がどの辺りにあるのかが知りたくて、診断には全面的に協力させていただきました。現況を把握してもらうために揃えるべき資料は多岐にわたり、相応の時間と労力を要しましたが、そこを超えてしまうと進むべき道がとたんに拓けていくものなんですね。例えば、なんとなくエアコンと併用していたサーキュレーターの運用方法や、社員に向けて省エネ意識や節電を啓蒙するために掲げていた社内表示にもお墨付きをいただくことができました。また、当社は社屋内に福利厚生としてドリンクの自動販売機を設置しているのですが、ベンダーに要望を出せば、省エネタイプの機材に置き換えてもらえることもわかりました。今まで行ってきたことに自信が持て、これから改善してゆくべき点に向き合える豊富な知識が養えました」


太陽光発電についても同様です。実現可能な具体案が見つかれば、すぐにでも検討に入る準備は整っていました。しかし、本社社屋ビルのカマボコ型にデザインされた屋上には、建築上、従来型の太陽光パネルの設置が困難であるということが判明します。

「自社ビルの形状についてはどうしようもありません。ただ、私たちには太陽光発電を『諦める』という選択肢もあったのです。これは決してネガティブな話ではなく、ダメなら別の方策を考えるための『前進』に繋がることです。その後、少々の時間経過があって、再び齊藤さんからご連絡がありました」


ナビゲーターの齊藤氏があらためて最新情報としてご案内したのは、フィルム式の太陽光発電モジュールの存在でした。奇しくもコーデンシTK社の取り扱い製品には、軽量かつ薄型で曲がる「Magic Flex」というLEDディスプレイがラインナップされているのですが、まさにそれと似た特性を持つ太陽光パネルが販売されていました。これなら曲線を描くカマボコ型の屋根にもフィットします。


前を向く気持ちがあれば、きっと背中を押してくれる
ナビゲーターへのご相談をおすすめします

さっそくコーデンシTK社は、太陽光発電モジュールおよび蓄電池の設置費用や、具体的な設置プランの策定を専門業者に依頼しました。調査の結果、社屋上層階部分の陽当たりが極めて良好なことがわかり、屋上だけでなく壁面部分にもパネルを延長設置するプランも浮上したといいます。

「実はその後、太陽光パネルの設置業者さんから、当社の屋上には充分な枚数のパネルを設置することができず十分な発電量を得られないという理由から、残念ながら費用対効果は薄いとの回答をいただきました。助成金を活用しても、設置には相応のコストがかかります。コストを回収できなければ、当然ながら設置は断念せざるを得ません。ただ、私たちにとってはこれも『前進した結果』であり、ポジティブに捉えています。中小企業経営者の皆さんになら共感いただけると思うのですが、小さな会社は本来業務に加えて、細かい経理業務や求人、社内環境の整備など、目の前に山積みされる諸問題に忙殺されがちです。環境負荷低減や脱炭素化に向けた取組は大切であると思いながらも、どうしても二の次になってしまうんですよね。でも、今、私たちに何ができて、何ができないのかを見極めることは、エネルギー使用の合理化・最適化はもとより、企業の成長を促す付加価値の創造にも役立つはずです

フィルム式太陽光モジュールは業者の診断の結果設置には至りませんでしたが、ビルの日当たりが非常に良いことから、ナビゲーターの齊藤氏より次なる一手として「ガラス一体型太陽光モジュール」をご案内しており、これから再度の実地調査に入る予定とのことです。

振り返ればいくつかのハードルがあったなか、着実に一歩ずつ進んでこられているのが、何よりの収穫とのこと。迷った時に「きっとできますよ!」と背中を押してくれたHTTナビゲーターの齊藤氏や、省エネルギー診断によってレポートをまとめた診断士さんの存在が、プラスに働いたことは紛れもない事実でした。この大きな一歩は、今後の脱炭素経営を見据えていく上で、一つの成功事例といえるのではないでしょうか。

「準備は大変でしたが、想像以上に詳細かつ的確なレポートにまとめていただくことができました。また、その前後で齊藤さんにお力添えをいただいたことにも大変感謝しています。こうしたHTTの取組が、当社の省エネのみならず、未来の東京を守ることにも繋がっていけばうれしいですね。ぜひ、躊躇されている他の企業の皆さんにも、HTT実践推進ナビゲーターへのご相談を強くおすすめしたいと思います」

企業プロフィール

  • コーデンシTK株式会社
  • 東京都渋谷区南平台町3-1 コーデンシTK渋谷ビル
  • 電子部品、光学部品、電子機器および光学機器の販売
  • 32名
  • https://kodenshi-tk.co.jp/
  • 2023年8月